私たちの社会の安全を支えている警備業。見えにくい仕事だからこそ、「安定している職業」というイメージだけが独り歩きしがちですが、その一方で現場にはさまざまな「リアル」があります。今回は、警備業界の職場環境について、最新のデータや情報をもとに改めて整理してみたいと思います。
■警備業は“安定産業” ― 需要と将来性
まず、警備業界は「生活基盤を支える重要な産業」であり、景気の変動に左右されにくいとされています。
また、施設警備、交通誘導、モニター監視など多様な警備の形態があり、ライフステージや体力レベルに応じて働き方を選びやすいのも特徴です。
未経験でもスタートしやすく、資格を取得することで収入や安定性を高められる制度も整っており、転職者やセカンドキャリア先としての注目も高まっています。
このように、警備業は「社会インフラを支える職業」として堅実かつ将来性のある業界であると言えます。
■現実の“きびしさ” ― 労働環境の課題
しかし一方で、警備業には大きな労働負荷や職場環境に関する課題もあります。まず、警備の現場では夜勤や早朝勤務、長時間の立ち仕事、屋外勤務が多く、体力的・生活リズム的に厳しいという声が多く聞かれます。
特に夏の猛暑や冬の厳寒といった過酷な気象条件のもとでは、身体的な負担が大きく、勤務継続に対するハードルも上がります。
また、給与水準の面でも「決して高水準ではない」「同じ労働時間を割いた他業種に比べて割に合わない」といった見方をする人もおり、このあたりが若年層にとって参入しづらい理由の一つとされています。
さらに、たとえ国家資格(例えば「警備員指導教育責任者」「機械警備業務管理者」「警備員業務検定」など)を取得したとしても、資格取得だけでは必ずしも昇給・キャリアアップにつながるわけではないという声もあり、長期的キャリアの見えづらさが業界全体の課題とされています。
■「働きやすさ」への取り組み ― 変わりゆく警備業
とはいえ、警備業界も変化・改善の歩みを進めています。最近では、業界団体による「労働環境整備」の実証実験が行われ、従来の「過酷」な働き方からの見直しが始まっています。特に、夏場の熱中症対策として空冷グッズ(ネッククーラーなど)の導入、座哨(立ちっぱなしではなく座る哨戒)や交替制の導入などにより、身体的負荷とストレスの軽減を目指す取り組みが報告されています。
また、ある最近の調査では、現役警備員の8割以上が「やりがい」「社会貢献」を感じているという結果も出ています。
このように、給与や待遇だけでなく、「安心・安全を守るという誇り」「チームで連携して守る責任感」といった“非金銭的価値”が、職場への定着やモチベーションにつながっているのです。
さらに、シフトの柔軟性や勤務形態の多様化、デジタル化による効率化など、若年層や女性、シニア層など幅広い人材が働きやすいよう職場環境を整備する企業も増えています。
■私たちの立ち位置と、「働きやすい警備会社」を目指して
私は、警備業に身を置く者として、こうした“良さ”と“厳しさ”の両面をいつも実感しています。特に、未経験からでも始められ、将来的にも安定性を見込めるという点は大きな強みです。一方で、現場のハードさ、勤務の不定期さ、気象条件などは無視できない現実です。
だからこそ、私たちのような地域に根ざす警備会社が果たす役割は大きいと感じています。たとえば、
- 熱中症・感染症対策、オフ時間の調整
- 働き方(昼勤/夜勤/施設警備/交通誘導など)の多様化
- 若年層やシニアが無理なく働ける体制の整備
- チームワークとコミュニケーションの充実
こうした職場環境の整備は、社員の健康・定着性・やりがい向上につながり、ひいては「地域の安全」を支える力強い土台になります。
■警備業は“ただの仕事”ではない ― 社会を守る誇りある仕事
警備業は決してラクな仕事ではありません。ただ、安定性・将来性・多様な働き方・社会的貢献という点では、非常に価値ある仕事だと思います。そして、働きやすさ・働きがいを生む環境づくりに本気で取り組むことが、これからの警備業、そして地域社会の安全につながる──私はそう信じています。
もしあなたが、「人の安心を支える」「地域や街の安全に貢献したい」と思うなら、ぜひ警備の仕事をもう一度、選択肢として考えてみてほしい。そして、私たちと一緒に、「安心・安全の世代継承」に取り組んでいきませんか。




